A:まずこの検査であなたの赤ちゃんがダウン症かそうでないかを100%見分けるための検査ではないということ、それを理解しておいてください。この検査はどのくらいの割合(確率)でダウン症の可能性があるかを見るためだけのものです。

 また、この検査を受けた先には、どのようなことが起きるのでしょうか? 検査を受けた後のことについても知っておく必要があるでしょう。

 検査を受けると、やがてあなたの赤ちゃんがダウン症を持つ「確率」が返ってきます。確率が低ければそれでおしまいです(もちろん確率がゼロでない以上、ごくわずかながらダウン症の可能性は残ります)。確率がある程度以上大きい時は羊水検査を受けるかどうか決めるように言われるはずです。「確率が大きい」と書きましたが、実際は 1/300より大きい場合に羊水検査を受けるかどうか聞かれることが多いでしょう。

 しかし、「ダウン症の可能性がある」と言われた場合でも99.6%以上は正常な赤ちゃんなのです。そしてもしあなたが本当のことを知りたいと願うなら、そのとき初めて羊水検査を受けることになります。

 羊水検査を受けてダウン症とわかったらどうなるのでしょうか。ダウン症の赤ちゃんは時として体が弱かったり、内臓に合併症を持っていたりすることがあります。ですから、あらかじめ赤ちゃんの内臓に異常がないかどうか診断しておくことができます。お産のときに無理がかからないような対策をとったり、設備の整った病院でお産することもできます。つまり赤ちゃんを迎え入れるための万全の準備ができるというわけです。

 しかし、その一方で、あなたの赤ちゃんをあきめるという選択肢があります。どの選択肢を選ぶかは、あなたとあなたのパートナーの問題です。ただし、ゆっくり考える時間はあまりありません。母体血清マーカー検査を受けられるのは12〜20週です。検査結果が出て、さらに羊水検査を受けてその結果が出る頃には、中絶可能な週齢、22週が目の前です。そのような短い期間に決断を下さなければいけません。

JDSNからのメッセージ

 母体血清マーカー検査は、もしかするとあなたと赤ちゃんにとって、とても厳しい選択を迫ることになるかもしれません。もし、検査を受けるなら、この点をよく理解したうえで受けてほしいと思います。母体血清マーカー検査を実施している企業の中には「赤ちゃんに優しい検査」と宣伝しているところもあります。たしかに血液検査自体は安全で赤ちゃんに優しいように思えます。ですが本当にそうなのか、よく考えてみてください。

 この検査を受ける前に、できれば知ってほしいことがあります。あなたが心配しているダウン症について、どの程度ご存じでしょうか。知的障害を伴う、心臓などの内臓に奇形を伴うこともあるといったことはご存じかもしれません。でも、実際に多くのダウン症を持つ方々がどんな人生を歩んでいるかご存じですか。もし、ダウン症を持つ多くの方の生き方を知れば、ダウン症を持って生まれてくることは苦しみでも何でもないし、すばらしい人生を送れない理由にもならないのだということもわかることでしょう。

 病院によってはこの検査を熱心に勧めるところがあります。そして「この検査でダウン症かどうかわかります。アメリカではみんな受けてますよ、受けるならサインして下さいね。詳しいことはパンフレットに書いてありますから」という説明だけですましているところもあります。検査を受けるかどうかはあなたと、あなたのパートナーの選択です。検査の結果をどう受けとめるかもあなたがたで決めるべきことです。

 あなたがたがどのような選択肢を選ぶのであれ、まず正しい情報を十分に知っておいてほしい---私たちはそう思っています。ですから十分な情報を与えない病院、納得できる説明をしてくれない病院では「ここでは検査を受けません」と言う勇気もまた必要だと思います。


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