・超音波断層法

 超音波をおかあさんのお腹にあてて、赤ちゃんの状態を画面でみる方法です。妊娠期間内のいつでもできます。赤ちゃんの発育状態や健康状態など赤ちゃんがお腹の中でどのようにしているかがよくわかります。また、それだけでなく、赤ちゃんの奇形や水がたまるような異常も見つけることができ、赤ちゃんに安全な分娩方法を選択したり、適切な分娩時期を選択する目的の他、分娩の時に小児外科医や新生児科医が立ち会い最適の医療がすぐ行える態勢を作る目的でも利用されています。ただし、この方法でわかるのは、赤ちゃんの姿かたちの異常のある障害についてだけです。姿かたちが変わらないような障害は見つけだせません。

・羊水検査

 お母さんのお腹に細い針を刺して、子宮から10〜20ccの羊水を採ります。羊水の中に浮かんでいる赤ちゃんの細胞を取り出して増やし、染色体や遺伝子の異常や代謝病などを診断します。また羊水中の化学成分を調べて血液型の不適合や神経管閉鎖不全症、代謝病を診断します。これらの診断の結果から、赤ちゃんの症状を軽くしたり、健康に生まれるように治療することもできます。しかし、それは、ごく一部であって、多くの異常は治療ができません。羊水検査は妊娠中期の13〜17週頃にできます。そして診断には2〜4週間必要です。染色体の大きな異常に限って言えば、診断の結果は、ほぼ正確です。しかし、染色体の小さな異常や遺伝子の異常は、普通に行われている染色体検査では判りません。したがって、障害のあるなしがすべてわかるわけではありません。そして、羊水検査をすると、わずかながら流産の危険があります。およそ300〜500人に1人の割合で検査後に流産が起きます。また、もう少し高い割合で羊水のもれや破水ということもあります。

・絨毛(じゅうもう)検査

 膣から胎盤の絨毛と呼ばれる組織を採ります。絨毛は赤ちゃんそのものではないのですが、赤ちゃんの細胞からできています。赤ちゃんの細胞を採取して検査する点は羊水検査と同じです。ですから、羊水検査と同じように染色体や遺伝子の異常、代謝病の診断ができ、また異常が見つかった場合は、症状を軽くしたり健康に生まれるように治療したりすることができます。ただし、羊水の中に含まれる赤ちゃんの代謝物を採らないので、代謝物からわかる神経菅閉鎖不全症を見つけることはできません。

 絨毛検査は妊娠初期の 9〜11週頃に検査でき、1〜4週間ぐらいで結果がでますが、羊水検査に比べて操作が難しいため、限られた病院でしか受けられません。また、流産の危険性も1〜4%と高めで、時には母親の細胞が混ざることで誤診も羊水検査に比べて多いということがります。

・母体血清マーカー検査(トリプルマーカーテストなど)

 最近行われるようになった検査で、お母さんの血液を採って調べる方法です。お腹の赤ちゃんに異常があると、お母さんの血液中に含まれるさまざまなタンパクやホルモンの量が増えたり減ったりします。そこでこれらの物質の濃度を調べることで赤ちゃんの状態を知ろうというものです。このような方法で赤ちゃんがダウン症や18トリソミー、神経管閉鎖不全症などの障害を持つ可能性を知ることができます。

 母体血清マーカー試験にはトリプルマーカー試験やダブルマーカー試験があります。トリプルマーカー試験は神経管閉鎖不全症も対象としている場合には、14、15週以前には無理ですが、ダブルマーカー試験は、神経管閉鎖不全症を対象としない場合にはもっと早い時期に可能であるものもあります。

 この検査ではお母さんの血を採取するだけですから、危険性もなくまた手軽です。しかし、血液中のタンパクやホルモンの濃度には個人差があり、赤ちゃんに異常がなくても多めだったり少なめだったりすることがあります。したがって濃度が標準と違っているからと言って、ただちに赤ちゃんに異常があるとは言えません。言い替えれば、この方法では「赤ちゃんが異常を持っているかもしれない」という可能性を調べることしかできないのです。最終的な結論は、羊水検査で確定診断しなければわかりません。

 母体血清マーカー検査は妊娠12〜20週の間に行われ(検査方法によって時期が異なる)の間に行われ、結果が出るまで1週間ほどかかります。


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