用語解説


神経管閉鎖不全症

赤ちゃんができてくる初期の段階で神経管と呼ばれる脳や脊髄のもとになる部分がつくられますが、これがうまくつくられず、きちんとした管の形にならないために無脳症をおこしたり、重篤な下肢の麻痺障害を伴ったりします。遺伝的要因と環境要因が作用して起こると考えれています。ほとんど外見的に異常が見られない軽度のものを含め、発生頻度はイギリスのサウスウェールズ地方で1000人に15人程度、日本では、出生1000人に1人程度です。ビタミン剤投与によって発生が減少したとのデータもあります。羊水中のαーフェトプロテインの濃度が高くなるため、羊水診断ができます。

二分脊椎

神経管閉鎖不全症のひとつの型で、脊柱の構造の部分的欠陥で、髄膜と脊椎の奇形を伴うもの、欠陥があって発育上の異常はあるが、脊髄または脊髄膜の突出がないものがあります。両下肢の運動障害、知覚障害、排尿、排便障害などの神経症状を伴います。外科的治療により生存率は向上しました。

18トリソミー

常染色体異常症の中では、ダウン症候群についで発生が多く、出生10000人に3人の割合で生まれます。18番染色体が1本過剰であることに由来し、18トリソミーといわれています。原因によって、標準型(全ての体細胞に18番染色体が3本存在)、モザイク型、部分トリソミー型があるのは21トリソミーと同様です。合併心奇形はほぼ100%に近く、生命予後が不良であるといわれています。

α-フェトプロテイン(AFP)

(α-fetoprotein)、フェトプロテインとは、胎児(性)たんぱくのことであり、成人の体内に存在する胎児性たんぱくです。α、β、γがあり、このうち、αは、妊娠日数とともに母体血中に増加することが知られています。ダウン症児を妊娠しているときには血中濃度が健常胎児の場合に比べ、低くなることもありますが、個体差の方が大きく、あくまでも統計的に算定される場合のひとつの因子にすぎません。濃度が逆に高くなると胎児に二分脊椎などの神経管閉鎖不全症が疑われます。

ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)

(human chorionic gnadotropin)、ヒト絨毛性ゴナドトロピン。胎盤トロホブラスト細胞により作り出されるホルモン。妊娠の初期の期間に卵巣を刺激してエストロゲンとプロゲステロンを分泌させ妊娠を維持させる働きをします。妊娠9ー12週に最高に達し、その後低下します。ダウン症胎児を妊娠している場合、健常児を妊娠している場合に比べ、その血中濃度は高い場合が多いことが知られています。

エストリオール(uE3)

(unconjugated estriol)、 卵胞ホルモンの主要代謝産物であり、その生成には、胎児副腎皮質、胎児肝、胎盤が関係しています。妊娠日数と共に増加します。マーカーとしてAFPと組み合わせて用いいることによって判別能力が高くなるとも言われています。

スクリーニング

判別検査、選別検査のこと。本格的な検査、診断の前に、前もってふるいにかけることを言います。通常、症状を自覚していない人の集団から、特定の疾病を有する確率の高い人を選び出したり、早期に予防しうる疾病を発見する検査で、典型的には比較的安価な検査が用いられます。また、あるいは、患者に適合した治療をふるいわけたりするときにもこの用語が使われます。

マススクリーニング

基本的には、スクリーニングと同義に用いてられますが、より広い範囲の不特定多数の集団に対して行われるふるいわけのことを意味します。


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